帰化とは

 

帰化とは、とても簡単に言うと、外国籍の方が日本国籍を取得することです。

 

帰化には要件があり、誰でも帰化できるわけではありません。

 

また、帰化を希望する方が、日本人と結婚している方なのかそうではないのか、特別永住者の方なのかそうでないのかなどによっても、要件が変化いたします。

 

帰化申請は、帰化の要件を満たし、各種の事情に応じた必要書類を集めて、申請書類を正確に作成することが大切です。

 

また、申請した後も、法務局から問い合わせがあったり、追加書類を求められたりするなど、多くの時間をとられます。

 

帰化申請の審査期間は、半年〜1年かかり、申請はされても許可されなければ、またもう一度申請するにしても、多くの時間を費やさなければなりません。

 

・自分が帰化の要件を満たしているのかわからない

 

・どのような書類を集めたらよいのかわからない

 

・申請書類をミスなく作成できるか不安

 

・仕事などで忙しく書類を集めたり、作ったりしている時間がない

 

といったことにあてはまる方に関しては、帰化申請に実績のある行政書士にサポートを依頼することをお勧めします。

 

永住との違い

 

国際業務の仕事をしていると、「帰化と永住の違いって何ですか」と聞かれることがよくあります。

 

また、永住権をとろうと思って、ご相談をしてきてくれた方が、話をよく聞くと帰化申請をするつもりだったなんてこともあります。

 

どちらも、日本にずっと暮らしたいという希望を叶えるための申請であることに違いはないからですね。

 

ただし、帰化と永住には、歴然とした違いがあります。

 

簡単に言うと、

 

帰化とは、日本国籍を取得して日本人になることです。

 

永住とは、外国籍の方が母国の国籍を保持したまま、在留期間の制限を受けることなく日本に住み続けることができる在留資格です。

 

以下に、帰化と永住の違いを項目別にリストアップしました。

 

帰化 永住
根拠法 国籍法 出入国管理法および難民認定法
申請先 (住所地を管轄する)法務局 (住所地を管轄する)出入国在留管理庁
国籍 日本(日本人と同等の権利あり) 外国籍(日本人と同等の権利なし)
戸籍 取得可 取得不可

役所手続
【出生届・婚姻届等】

居住している市区町村

居住している市区町村および本国への届出
※2か所への手続きが必要

就労制限 なし なし
強制退去 適用なし 適用あり
再入国許可 不要 必要 ※特別永住は2年以内であれば不要
外国人登録 不要(在留カードは帰化時に返却) 必要(在留カード常時携帯義務あり)
参政権 選挙権・被選挙権が与えられる 一部自治体を除き参政権なし

 

 

 

 

 

 

帰化の3種類

 

帰化の種類は大きく3つに分けることができます。

 

@ 普通帰化

 

A 簡易帰化

 

B 大帰化

 

です。

 

普通帰化とは、一般的な外国人の方の帰化です。

 

一般的な外国人とは、例えば、外国で生まれて、留学生として日本に来て、卒業後は日本で就職して現在に至る、というようなケースです。

 

簡易帰化とは、在日韓国人・朝鮮人=特別永住者の方や日本人と結婚している外国人の方の帰化です。

 

普通帰化と比べて、帰化の要件のハードルは下がりますが、集める書類や作成する書類のボリュームは、普通帰化と変わらないかそれよりも多いこともあります。

 

大帰化とは、日本に対して特別に功労実績のある外国人に対して許可される帰化のことです。

 

これまで許可された前例がありませんので、覚えておく必要はないと思います。

 

帰化するメリット

 

帰化するメリットは以下の通り大きく6つあげられるでしょう。

 

@ 行政手続きが簡単になる

 

A 就労制限がなくなり、公務員になることもできる

 

B 年金や医療保険など日本人と同じ社会保障を受けることができる

 

C ローンを組んだり口座を開設したり、銀行との取引や融資が容易になる

 

D 日本人と結婚したまたはしている場合、同一の戸籍に入ることができる

 

E 日本のパスポートを取得できる

 

F 参政権が与えられる

 

行政手続きが簡単になる

 

外国籍の方であれば駐日領事館や本国の機関で手続きや必要書類の収集をしなければいけないことも多いですが、日本国籍を取得すれば、最寄りの市役所で、手続きが可能となり、様々な手続きで必要になる本人書類も容易に取得することができます。

 

就労制限がなくなる

 

ビザの中でもとりわけ就労ビザは、許可が下りた以外の業務に就くことは不可能でしたが、日本国籍を取得した後は、どのような職業にも就くことができます。また、公務員になることもできます。

 

日本人と同じ社会保障を受けることができる

 

年金や医療保険、介護保険といった各種社会保障を日本人と同様に加入し利用することができるようになります。

 

ローンを組んだり口座を開設したりが容易になる

 

外国籍をお持ちの方ならば、とりわけローンや口座開設において銀行とのやりとりに苦労した方も多いのではないでしょうか。日本人になれば、金融機関からの信用度が増し、審査も通りやすくなります。

 

日本人と結婚すれば同一の戸籍に入ることができる

 

日本人の配偶者になったり、お子様を生んだ際は、同じ戸籍に入ることができます。

 

日本のパスポートを取得できる。

 

日本は国としての信用度が高くビザなしで渡航できる国がたくさんあります。日本のパスポートがあれば、海外出張や海外旅行の際の手続きが容易になります。

 

参政権が与えられる

 

日本人になれば、選挙で投票したり、選挙に立候補することができるようになります。

 

 

 

 

 

 

帰化するデメリット

 

帰化するデメリットは以下の通りです。

 

@ 母国の国籍を喪失する

 

A あらためて母国の国籍を取得することが困難になるかもしれない

 

B 母国に帰る際に、本国の在留資格やビザを取得しなければならないかもしれない

 

 

母国の国籍を喪失する

 

日本では二重国籍は認められていませんので、日本国籍を取得した際には、それまで保持していた母国の国籍については喪失の手続きをしなければなりません。

 

あらためて母国の国籍を取得することが困難になるかもしれない

 

国籍の回復について容易な国もあれば、難しい国もあります。国によっては、再度母国の国籍を取得しようと思っても非常に困難になる可能性があります。

 

母国に帰る際に、本国の在留資格やビザの取得が必要になるかもしれない

 

メリットのところで、日本のパスポートをもっていればビザなしで渡航できる国は多いという説明をしました。ただし、中長期の滞在となれば、母国の大使館でビザの取得が必要になるかもしれません。