帰化申請における引越回数について

 
引越回数が多いと帰化申請に影響しますか?

 

Q1. 私は日本に来てから仕事の都合もあり、各地を転々としてきましたが、帰化申請の際には影響がありますか?また、引越回数が多いため引越した日にちや住所について正確に記憶していないのですが大丈夫ですか?

 

A. 引越回数が多いことは帰化申請に影響しません。ただし、帰化申請書類の作成において手間がかかり、居住歴を正確に調べてしっかりと記載していかなければならないので注意が必要です。そのために取得すべき書類があります。

 

もう少し詳しく解説していきましょう。

 

帰化申請の際に作成する申請書類の一つに、履歴書があります。

 

履歴書には〈その1〉〈その2〉があり、〈その1〉の居住関係欄に、生まれてから現在までのすべての居住歴について、引越した年月日と住所を正確に記載していかなければなりません。

 

このうち、外国にいた時の住所については、ご自身の記憶をたどってなるべく正確に記載していただければよいのですが、日本に来てからの住所については、法務局審査官によってくまなく調べられますので、記載の間違いは許されません。

 

日本人の場合は、「戸籍の附票」を取り寄せることで、これまでの住所の追跡が可能ですが、外国人には戸籍がありません。

 

そこで、以下の通り、3つの書類を必要に応じて活用し、正確な住所を調べます。

 

@ 閉鎖外国人登録原票

 

A 外国人出入国記録

 

B 住民票の除票

 

@Aに関しては、5年以上前の住所でも調べることができます。

 

Bについては、直近5年以内の住所を調べることができます。

 

令和元年6月20日の住民基本台帳法改正により住民票の除票の保存期間が5年から150年間に変更されましたが、改正前に保存期間が経過されてしまったものについては、交付してもらうことができません。

 

ひとつずつ解説していきましょう。

 

閉鎖外国人登録原票

 

以前の日本では外国人登録制度によって外国人の住所などの個人情報を管理しておりました。

 

その外国人登録制度が2012年7月9日をもって廃止され、外国人にも日本人と同じように住民票が作成され交付されるようになりました。

 

このように2012年7月9日より以前の住所を調べたい場合は、閉鎖外国人登録原票(外国人登録制度の廃止によって閉鎖されたから)を取り寄せましょう。

 

請求先は、出入国在留管理庁です。郵送請求も可能です。郵送の場合、届くまでに大体2-3週間かかることが多いです。

 

外国人出入国記録

 

外国人出入国記録は、昭和45(1970)年11月1日以降か現在までの出入国記録を記載した書類です。

 

また、在留カードや特別永住者証明書の番号や期限、記載事項の変更履歴が記録されております。

 

記載事項の変更履歴には住所地も含まれておりますので、住所歴を調べることができるというわけです。

 

請求先は出入国在留管理庁です。

 

出入(帰)国記録に係る開示請求書で申請をします。

 

郵送請求も可能で、届くまでに2-3週間くらいかかることが多いです。

 

外国人記録調査書という文書で交付されます。

 

ちなみに正確な出入国記録は履歴書〈その2〉でも必要な情報になります。

 

住民票の除票

 

2012年7月9日に外国人登録制度が廃止されたことにより、外国人にも住民票が作成されました。

 

住民票の除票とは、引越や死亡などで住民票上に誰も残らなくなった場合の書類です。

 

その住民票を取得する前後の住所地についての記載があります。

 

引越回数が多く居住歴の記載が複雑になる方は、申請書類作成のハードルがあがります。

 

許可を1回で確実に得るために帰化申請の専門家に相談することをおすすめいたします。

 

お気軽に行政書士李国彦事務所にご相談ください。