申請後の変更事項について
申請後に変更事項が生じた場合は審査に影響がありますか
Q1. 帰化申請をした後、勤務先が変わりました。帰化の審査に影響はありますか?
A. 影響はあります。転職先によっては悪影響を及ぼす可能性もあります。
もう少し詳しく解説していきましょう。
帰化に必要な書類を集めて、申請書類を作成した後、いよいよ法務局に書類を持参し、申請をします。
無事申請を受け付けてもらうと、審査が始まりますが、その際に、以下のような変更事項が生じた場合は、すみやかに法務局に連絡を入れるよう指示がなされます。
● 連絡先が変わったとき
● 住所が変わったとき
● 身分関係に変更があったとき
● 転職など勤務先が変わったとき
● 在留資格や在留期限が変わったとき
● 海外へ渡航する場合や再入国したとき
● 交通違反など法律に違反したとき
● 帰化後の氏名や本籍を変更したいとき
● その他法務局へ提出した書類の内容に変更があったときおよび連絡する必要が生じたとき
申請内容に変更が生じた場合は、法務局に連絡をし変更届を出します。
変更届の申請書は、申請の際に法務局からもらえる帰化申請の手引きにあります。
重要なことは、帰化申請後に申請内容について変更が生じた場合には、必ず法務局に事実をありのままに連絡することです。
ご本人様がこれは審査に悪影響を与えるのではないかと自分で判断して法務局に連絡をしないということだけはやめましょう。
変更事項が影響を与えるか与えないかに限らず、変更について申告をしなかったという事実は確実に審査に悪影響を及ぼします。
以下注意するべき変更事項について触れておきます。
住所が変わったとき
引越などで住所が変わった場合は14日以内にお住まいの市役所で住所変更を行い法務局へ連絡してください。
法務局からは住民票などの追加書類を求められます。
身分関係に変更があった時
身分関係とは、婚姻・離婚・子供の出生・死亡・養子縁組・離縁等のことを指します。
例えば、結婚をした場合は、市区町村役場に届出を行った後、法務局に連絡をします。
法務局からは婚姻証明書などの追加書類を求められます。
在留資格や在留期限が変わったとき
帰化申請後の審査は1年におよぶ時があります。
審査中にビザの有効期間が過ぎると不法滞在となりますので、忘れずに更新申請をしなくてはなりません。
また、在留資格や在留期限の変更だけでなくパスポートを更新した際も法務局に連絡するようにしましょう。
海外へ渡航する場合や再入国したとき
海外の渡航中に帰化の許可が下りた場合、出国時は外国籍だったのに入国時に日本人になっていることになり、旅券法違反となります。
これを避けるために、海外へ渡航する際には前もって必ず法務局に連絡をし、再入国した際に、再度法務局に連絡を入れます。
こうすることで、法務局の方で帰化の許可を出すタイミングを調整してくれます。
転職など勤務先が変わったとき
当事務所では、申請後に転職などで勤務先を変更することを基本的におすすめしておりません。
法務局側としては、転職先の会社について調べなくてはならなくなり、それだけ審査にかかる時間が長くなりますし、経営状況がよくない、納税状況がよくない、行政指導を受けたことがあるなど、転職先の会社の状況によっては、審査に悪影響を及ぼすからです。
また、転職するということは、そもそも安定して収入を得たという実績がその会社においてないということを意味します。
つまり、どれだけよい年俸で雇ってもらってもその収入を確かに得たという実績がなく確証もないということですので、生計要件の審査において、あまりよくない影響を及ぼす可能性があります。
ただし、様々な事情で転職せざるをえないことはあると思います。
そのような場合でも、必ず勤務先の変更があったことを法務局に伝えるようにしましょう。
交通違反など法律に違反したとき
懲役や禁錮、罰金といった犯罪だけでなく、交通事故を起こしてしまったり、交通違反をおかしてしまった場合も必ず法務局に報告しましょう。
例え、交通違反であっても、帰化の審査に大きな影響を与えますので、帰化審査中は運転を控えることをおすすめします。
帰化後の氏名や本籍を変更したいとき
申請書類において、記載した帰化後の氏名や本籍を変更したい場合は、法務局にその旨連絡を入れましょう。
また帰化の許可が下りた後に、申請した帰化後の氏名や本籍を変更したい場合も、市役所に帰化届を出す前に、法務局に連絡しましょう。
帰化届を出して確定した氏名については、家庭裁判所の許可がないと変更できなくなります。
その他法務局へ提出した書類の内容に変更があったときおよび連絡する必要が生じたとき
申請後に、申請した内容について何等かの変更が生じた場合は、基本的に法務局に連絡するという意識を持つことが大事です。
ご自身で判断したり、悪影響を及ぼすのではないかと懸念して連絡をしないことが最も悪影響を与えます。
また、変更があったことそれ自体で帰化審査に必ず悪影響を与えるかというとそうではありません。
例えば、申請時には無職であった方が申請後に職を得た場合や新たに免許や資格を取得した場合などは有利に働くことがあります。
帰化申請を専門としている行政書士のサポートを受ければ、帰化申請の準備はもちろん、申請後のフォローや帰化許可後のフォローまで安心して受けることができます。
お気軽に当事務所に相談していただければと思います。